新経営戦略塾 経営のヒント+(石原明の経営のヒント+)

『マネーの虎』ファンが作る、聴くほどに思考が深くなっていけるラジオ

『マネーの虎』中東CSチャンネル開設の回と『石原明の経営のヒント』

20年ほど前にマネーの虎というTV番組が真夜中で始まりました。

空っぽオフィスの一室で、やりたい事業アイデアをもつ志願者が経営者5人を前にプレゼンしてその場で資金を出してもらうという番組でした。

f:id:kakunin-test:20220103225321p:plain

この「マネーの虎」の放送がYou Tube等で少ないながらも見られるので、その中から私がYou Tubeチャンネルで紹介している『石原明の経営のヒント+』の教えとリンクするものを取り挙げたいと思います。

 

中東CSチャンネルを日本で開設したい(希望額:1,000万円)

動画ご覧になりたい方はこちら↓

www.youtube.com

志願者は33歳位で、日本に帰化した外国人。

インドのCSチャンネルの1つが世界的に人気があるにも関わらず、日本ではそのチャンネル放送が無い。そのチャンネルはスポーツのクリケットなど世界的に人気のコンテンツも含まれていて、インド以外の多くの国からも視聴されている。

法規制クリアや放映権取得など必要な準備は済んでおりあとは資金だけのところまでこぎつけたという。

 

ここで輸入車販売を手掛けるオートトレーディングルフトジャパン(現在の社名はLUFT)の南原竜樹社長は、

「さっき、400人にチャンネルの構想を話してみたら全員見たいと答えたと言ったよね。その400人から事前契約取ってくることはできる?」

志願者「もちろんです」

これを条件に南原社長は500万を、さらに別の社長がもう半分500万をだして見事にマネー成立!

 

しかし(この動画には入ってませんが)放送後にひるがえってこれはマネー不成立になりました。

その400人の事前契約を取ってくる約束が果たせなかったのが理由でした。

マネーの虎」では一つでもウソが後から発覚したらマネー成立が取り消しになります。

 

この志願者は何がいけなかったのでしょうか。

ここに「石原明の経営のヒント+」でテストマーケティングを取り上げた回があります

youtu.be

石原明氏は、新製品サービスを世に出すかどうかを周囲の知人などからの調査で決める場合は、「いいね」とか「そんなのあったら欲しいな」レベルの感触だけで決めてはならないと説いています。

それよりも「それ買うよ?作ってよいつ売るの?買うよそれいくら?」くらいの手応えがないと危ないと。

 

この志願者に当てはめれば、全員が本当にCSを見たがっているのなら、その400人から仮の視聴契約書でも取ってきてからマネーの虎に臨むべきだったでしょう。

南原社長はそこを見抜いて、さらには内心頓挫することまでも想定内に入れつつ、400人契約を条件に500万を出したと推定されます。

それか本当に400人の契約書をマネー成立後に取ってこれたならそのまま出資してもとりあえずよいわけで、いずれにせよリスクを抑えた出資だったと思います。

 

400人がみんな見たいと言ってくれたんですよ!と言われると、普通の人は「それはすごいね」と思うかもしれませんが、経営者から見たらその程度では鵜呑みにしないわけです。

当人から目をキラキラして情熱を込めて構想を話されたら「いいね」って気を遣って言ってあげることもあるじゃないですか。その程度ではいざ事業を始めたら「あれ、みんななんで?(買ってくれないの?)」という不測の事態になってしまったり。

 

この志願者は元証券マンで日本語も上手く、話し方を聞いていても優秀な方に見受けます。そんな人でも「いいね!」を真に受けてビジネスを駆け出してしまおうとする失敗をやりかけました。

経営のヒント第14回だけを単独で聴くと、「いいねだけじゃダメか。まあそうだよな。」程度で分かった気になってしまいそうですが、現実にはその程度のことでも道を間違ってビジネスに失敗してしまう人が世間には少なからずいることをよく受け止めて考える必要があります。

コンテンツを聴いた時に「それはそうだな。」とその時は分かった気になって深層レベルの理解で血肉に落としこむことをしないままでいると、後にその考え方が必要になった場面でその考え方が出てこない危険性があるのです。

いざ自分で起業や社内プロジェクトに携わる時に、つい市場調査で「いいね」レベルの好感触を得ただけで舞い上がったり勘違いして新事業をスタートしては高確率でコケてしまいます。

大学受験勉強を思い出してみると、例えば数学で初見で解けなかった問題の解答をみて、「ああなんだ、こう解くのか。」と分かった気になってその後に復習や再確認をせずにいると、いざ模試や本番試験の時に、その解法を応用できる問題に当たったときにその解法を思い出せずに撃沈することがあるのと似ています。

数学の解法は、見た目がソックリな問題を見たらその解法を機械的に使えばOKというようなレベルの理解ではダメです。

何を問うている問題に対してその解法が適用できるのかという、解法の趣旨というか意味まで理解できていると、その問題とは一見違って見える問題に対しても、「あ、この問題でもあの解法が使えるな」と直感で応用できるようになります。

 

石原明氏は、同じ回をそれこそ何十回でも繰り返し聴いた方がいいと説いています。

これを言われると最初は「そんなバカな」「聴けるかよ‥」などと思いますよね?私も最初だけは少し思いました。

しかしこのように人間の学習及び応用の過程を考慮すると、このようなビジネスハックも同様に深い理解や適用の視点を理解しておくことが重要で、そのレベルの習得のためには繰り返し聴くことが重要だといえると思います。

 

チャンネル登録はこちら↓

www.youtube.com